小説新人賞の偏差値を計算してみた

作家になりたい!と思っている人、いますか? 私は作家になりたいです。

現代日本において、作家デビューするために一番普通のやり方は出版社が主催している公募の新人賞を取ることです。

今回は、2019年に発表された『文藝賞』という新人賞を例にして、新人賞を取るための「偏差値」を計算してみようと思います。

偏差値とは?

受験で使う「偏差値」とは、集団のなかでどのくらいの位置にいるのかを示す値です。平均点を取った人が偏差値50で、平均値より高ければそれにプラスされ、低ければマイナスされます。

理論上は偏差値に上限・下限はなく、偏差値100オーバーも、偏差値マイナスもありえます。

今回は細かいことを全部すっ飛ばして、「上位何パーセントに位置していたら、偏差値はいくつか」を計算します。

小説新人賞の偏差値計算方法

エクセルの関数で計算します。

=100 – NORMINV(●, 50, 10) 

上記の●に、上位16%に位置していた場合、0.16と代入します。すると、59.9と出ます。つまり、偏差値60。偏差値60とは、上位16%のことだったのです。

文藝賞とは?

文藝賞とは、河出書房新社が発行している文芸誌『文藝』の公募新人賞です。

受賞作が話題になることも多く、綿矢りさ氏や羽田圭介氏もこの賞でデビューしました。文藝賞受賞作がそのまま芥川賞を取ることは少ないですが、受賞者がその後、芥川賞を受賞することは珍しくありません。

再放送で話題になった『野ブタ。をプロデュース』も文藝賞の受賞作です。

2019年度『文藝賞』偏差値を大計算!

第1次予選通過の偏差値!

文藝賞の応募総数は1840です。1次通過作は47篇。上位2.6%

上記のエクセル関数で計算すると、

偏差値70

第2次予選通過の偏差値!

2次通過作は33篇。上位1.8%。これを計算して、

偏差値71

第3次予選通過の偏差値!

3次通過作は17篇。上位0.92%。だから、

偏差値74

第4次予選通過の偏差値!

4次通過作は10篇。上位0.54%なので、

偏差値75

最終候補作の偏差値!

最終候補作は4篇。上位0.22%。だ~か~ら~

偏差値79

文藝賞受賞作の偏差値!

受賞は2篇。上位0.11%。ということは、

偏差値81

まとめ

河合塾のサイトによると、東京大学の偏差値は以下のとおり。

東大文科一類 67.5
東大文科二類 67.5
東大文科三類 67.5
東大理科一類 67.5
東大理科二類 67.5
東大理科三類 72.5

文藝賞で予選通過すると名前が載るのですが、予選通過は東大合格よりも難しい

3次通過以上は東大理三(医学部)よりも難易度が高いことが分かります。

いや~新人賞を取って作家になるって、本当に難しいことなんですね!

おまけ

2019年度文藝賞受賞作は、宇佐見りん「かか」遠野遥「改良」の2作。ふたつとも読みました。

「かか」は、文体が面白い! 「かか弁」と呼ばれるオリジナル方言を用いて、19歳女性の独白が続きます。読んでいる間、感情を揺さ振られ続けました。なんかとてもリアルに感じた。書かれている内容は、母親が病み機能不全に陥った家庭の話が中心なんだけど、なんだかフィクションに思えなかった。それくらい切に迫ってくるものがありました。

「改良」については、読んでいる時は、上手く書けているなあと感心しつつも、そんなに物語世界に入り込むことはなかったのですが、読んでから数日経ってもずっと登場人物のことを考えてしまう。その人物造形や取った行動について、つらつら考えます。たぶん読んだことで、自分のなかの何かが掻き回されてしまったのでしょう。

東大理三合格よりはるかに難しい難関を突破した文藝賞受賞作2作。オススメですので、ぜひ手に取ってください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA